抗酸菌部
概要
抗酸菌部は、結核をはじめとする抗酸菌症の原因である抗酸菌の研究解析を行う部門として、細菌科、結核菌情報科及び主任研究員で構成されています。
細菌学的研究および抗酸菌レファレンス検査機能
抗酸菌部では結核あるいは非結核性抗酸菌症の予防・診断・治療に貢献すべく、細菌学的診断法の開発や評価、抗酸菌の表現型・機能・遺伝学的特性の解析、環境調査等細菌学的技術を要する抗酸菌の基礎研究、臨床細菌学的研究、疫学調査などを実施しています。衛生微生物技術協議会の結核レファレンス施設に指定されており、近年急激に増加している非結核性抗酸菌症の薬剤感受性試験、稀少菌種の同定についてもレファレンス検査室となっています。
抗酸菌検査の効率的実施と精度保証についてもNational Referenceとして活動しており、世界保健機構西太平洋地域の抗酸菌検査に関するSupra-National Reference Laboratoryにも指定されています。感染症法上の特定病原体等に相当する結核菌の管理保管施設を有しており、研究用病原体バンクとしての役割を担っています。さらに病原体データバンクを基礎として結核菌病原体サーベイランスの確立を目指して研究を進めています。
抗酸菌遺伝情報の研究
抗酸菌のゲノム情報を利用し、分子疫学的な遺伝子型別法の開発からその利用まで一貫した研究を行っています。結核菌については、これまでに約5,000株からなるゲノムデータベース(Genome Research for Asian Tuberculosis: GReAT)を構築しており、国内・海外の研究機関とも協力して分子疫学研究や必須遺伝子解析などの研究を進めています。また、非結核性抗酸菌症についても国内外の施設と共同で分子疫学的研究を展開しています。
電子顕微鏡を用いた超微細形態学
抗酸菌学において光学顕微鏡によるZiehl-Neelsen染色標本の観察は非常に有用です。しかし、抗酸菌のコロニー構造、菌体の内部構造、菌体ごとの形態の違いをより詳細に分析するためには電子顕微鏡よる観察が必要です。走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡(超薄切片, cryo-TEM)を駆使して基礎データーを集積しています。
予防・診断・治療薬開発の基礎研究
細胞生物学的、薬理学的な研究を主体に結核を始め抗酸菌症に対する医薬品の開発に繋がる基礎研究をおこなっています。
抗酸菌部では、研究から得られた知見を総合的に利用するため臨床や他の部門・組織との協力も行いつつ、抗酸菌症対策に貢献することを目標としています。
部員紹介
抗酸菌分与
詳細は、抗酸菌部へお問い合わせください。
お問い合わせ先(抗酸菌部)
メール:mrc@jata.or.jp
お問い合わせ、ご依頼は原則メールでお願いしております。
内部精度管理用標準株
外部精度評価用試験株(薬剤感受性パネルテスト用)
抗酸菌関連受託検査
抗酸菌部では一般に実施できない抗酸菌関連検査を受託します。
詳細は検査申し込みのページをご参照ください。
抗酸菌検査個別研修
抗酸菌検査個別研修については、国内研修のページをご参照ください。
顕微鏡写真提供のご案内
結核研究所で撮影・保存している結核菌、非結核性抗酸菌の顕微鏡写真をマスコミ、出版社等のご要望に応じて無償で提供しております。非結核性抗酸菌についてはすべての種の顕微鏡写真を用意しておりませんのでご承知おきください。
顕微鏡写真の提供にあたり記録のために顕微鏡写真使用申請書を提出頂いております。原則として本申請書の受領を確認後、写真をお送りいたします。
写真提供に関する問い合わせならびに申請書の送付先
公益財団法人結核予防会結核研究所抗酸菌部mrc@jata.or.jp