第2回ストップ結核パートナーズフォーラム

日時:2004年3月24-25日
場所:インド、ニューデリー
主催:Stop TB Partnership、インド政府

はじめに
第2回ストップ結核パートナーズフォーラムは2001年10月22-23日に米国・ワシントンの世界銀行本部ビルで開催された第1回フォーラムに続くもので(複十字誌No.283/2002年1月号参照)、300ものパートナーが一丸となり、世界保健総会で掲げられた2005年の目標達成のために現在の進捗状況と課題を議論し、政治的関与を喚起することを目的として行われた。出席者は高蔓延国の保健大臣や保健省、国家結核対策担当官をはじめ、国際機関、ドナー、NGO、その他のパートナー等々、300人近い出席者があった。


· 第2回ストップ結核パートナーズフォーラムへの参加者代表は以下の目的を達するために政治的関与を強化することを断言した。
1. 世界の患者の70%を発見し、その85%を治癒するという目標を来る20ヶ月以内に達成するために最善の努力をする。
2. DOTS拡大を加速する。
3. 私的セクター、NGO、リスクにさらされている人、HIV感染者エイズ患者、一般市民など主となる新たなパートナーを加え活動を広げる。
4. 2005年の目標やそれをこえたミレニアム目標(2015までに結核有病率及び死亡率を半減する)に向けて資金的及び人的資源を動員する。


成果
1. 本フォーラムは世界一高蔓延国であるインドで行われ、インドのパジパイ首相が出席し、 インドの結核対策の成果と今後の政治的関与の強化を訴えた。
2. 開会式での「WHO Global Tuberculosis Control Report」の発表は世界結核デーの象徴的イベントとなった。
3. 世界結核目標を達成し、その目標達成を4年間維持した6ヶ国(キューバ、モルティブ、モロッコ、ペルー、チュニジア、ベトナム)に賞状が授与された。
4. 本フォーラムのスローガンである「ストップ結核のために公約を守る」(”Keeping the pledge to Stop TB”)がストップ結核パートナーシップの一員である大臣、私的セクターの代表者、NGO、その他の関係者によって支持された。
5. 2国間協議などストップ結核パートナーの連携を目的とする会議が行われ、本フォーラムがストップ結核パートナー間の議論の場所にもなった。
6. 第6回ストップ結核調整会議が本フォーラムの前に開催され、パートナーシップの外部評価に対応する戦略が作成された。
7. インド及び国際プレスによる報道が広く行われた。

合意に達した事項
1. 結核制圧を目指す世界のストップ結核パートナーシップは以下を通じて効果的に機能している。
1-1世界結核薬基金(GDF)、ストップ結核世界計画、DOTS拡大作業部会、TB/HIV作業部会、DOTSプラス・多剤耐性結核作業部会、結核薬R&D作業部会、結核診断R&D作業部会、ワクチンR&D作業部会

2. ストップ結核パートナーシップは2001年以降に2050年の長期的な目標に向かって多大な成果を上げてきたが、進行が後戻りしないよう以下をすみやかに行わなければならない。
2-1患者発見率を向上させる。2015年のミレニアム目標を達成するためには、世界の全患者の75% を発見することが不可欠である。SAC(Intensified support and action in countries) イニシアティブで2005年の目標達成を目指す。
2-2 すべての地域で治療成功率が確実に85%を達成し、それを維持できるようにする。
2-3 GFATMおよびドナーとの協力やパートナーの動員などパートナーシップが設立されてから達成してきた成果を維持し一層高める。
2-4 アドボカシー、コミュニケーション、social mobilizationを通し政治的関与を強化する。
2-5 結核と貧困を結びつけた戦略を進めていく。
2-6高蔓延国での保健分野での人材不足に関する問題を提起し、人材育成のための技術的および財政的支援を行っていく。
2-7 -7 NTPの機能を高めながら保健システム(特に第一次医療)を強化する。
2-8 TB/HIVの非常事態に対する対策を進め2005年の「3 by 5イニシアティヴ」を目指し、エイズ側と連携する。
2-9 私的セクターや社会を動員し、私的セクターと連携することにより社会的・経済的効果があることを示す。
2-10結核に関する研究や開発に対する投資を拡大し、新たな診断法、抗結核薬、予防接種の開発の向上に取り組む。
2-11 DOTS拡大を急速に促進し、パートナーシップの確立を通しHIV/AIDSおよびMDR-TBの予防とマネジメントを進めていく必要がある。さらに、新たな診断法、抗結核薬、予防接種の開発に対する投資を行う必要がある。

DOTS拡大を加速し、パートナーシップを構築してHIV/AIDS 及びMDR-TBの予防とマネジメントを行わなければならない。そして 新たな診断法、抗結核薬、予防接種の開発に対する投資を行う必要がある。


2005年12月までの残り12ヶ月間に達成すべき目標

1. 国際社会は以下を通して世界目標を達成するために結核運動を支援しなければならない。
1-1ストップ結核世界計画の実施を支援する。
1-2世界目標達成の緊急性について主張する。
1-3結核対策において地域特有である問題に取り組む。
1-4 2005年以後の次期フェースの世界計画を作成する。
1-5 HIV/TBと連携する。
1-6 研究&開発を支援する。

2. 国は以下を通じて世界目標達成のための計画を実行する努力をすみやかに行わなければならない。
2-1 政治的関与を強化する。
2-2 DOTS戦略に従って診断と治療を確実に行う。
2-3 パートナーシップを拡大し様々な団体と連携を行う。
2-4計画を十分にかつ戦略的に行う。予算を計画に合わせる。結核を貧困削減計画に含める。
2-5モニタリングと評価を強化する。

3. ドナーは2005年の目標を達成するために下記を通じて資金の割り当てを促進しなければならない。
3-1結核対策の計画に対する資源を増やす。
3-2資源の適切な配分を主張する。
3-3私的セクターは結核計画への参加を拡大する。
3-4医療・科学分野は結核に関する研究や開発に対する投資を拡大し、新たな診断法、抗結核薬、予防接種の開発の向上に取り組む。

4. NGOは結核対策への参加を拡大するべきである。
4-1国際結核関連NGOの経験を生かし国内のNGOの能力向上に努める。
4-2市民は結核運動に参加する。

5. 主張者、メディアなどは結核対策における資源を動員するためによりより大きな役割を担うべきである。
5-1結核で苦しんでいる人々は結核制圧のため世界結核運動とともに声を上げる必要がある。
5-2すべての団体は2005年結核対策の目標を達成するために最善を尽くすべきである。

Stop TB Partners Forumのホームページへ: http://www.stoptb.org/events/partners_forum/2004



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