新結核用語事典


乾酪壊死
[caseous necrosis]

結核性滲出性病変の中心部は壊死に陥るが,この壊死巣は一般炎症の化膿による融解壊死と異なり,凝固性の壊死となり黄色調のチーズ状の壊死物質を形成する。これを乾酪壊死というが,乾酪変性ともいう。壊死巣にはタンパク分解酵素を阻害する脂質が多量に含まれるために融解現象が起きないとされ,その脂質は結核菌の菌体成分および変性マクロファージに由来する。乾酪壊死巣内の結核菌は減少し,抗酸菌染色で発見しにくくなるが,いわゆる生残菌として残存する。


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