細菌検査科



★トピックス★ 

結核菌薬剤感受性試験外部精度評価(2015年度)の実施について 実施方法


細菌検査科へようこそ。

 結核予防会結核研究所抗酸菌レファレンス部細菌検査科では、抗酸菌検査全般に関わる精度管理・保証、抗酸菌薬剤感受性試験、薬剤耐性結核動向調査(サーベイランス)等の業務および関連の研究を行っています。

  1. 抗酸菌検査の精度管理・保証とは
  2. 抗酸菌薬剤感受性試験について
  3. 薬剤耐性結核動向調査について

細菌検査科スタッフ
科長   御手洗聡
      山田博之
      青野昭男
      近松絹代

抗酸菌検査の精度管理・保証
 結核の診断においては、細菌学的検査がいわゆるゴールドスタンダードであり、結核菌の分離をもって結核感染症と診断します。しかしながら、その検査精度に関する研究や活動は一部を除いてほとんどありません。オーダーメード医療が重要となる今日、基本的な検査から高度な技術を要するものに至るまで検査の信頼性を確保する事は極めて重要であり、細菌検査科では日本結核病学会抗酸菌検査法検討委員会等とも連携して検査精度管理・保証活動を実施・評価しています。

抗酸菌薬剤感受性試験
 結核の診断が確定すると、基本的に抗結核薬による治療を行う事になります。結核の標準治療は効果のある(感受性のある)抗結核薬を3剤以上投与することを基本としますが、この際重要となるのが薬剤感受性試験です。市中にはある割合で耐性菌が存在しており、初回治療で多剤耐性(INHとRFPの両方に耐性をもつ)である場合もあります。薬剤感受性試験は抗結核化学療法の内容を決定するために極めて重要な検査であり、治療成功を保証する最低の条件です。細菌検査科では薬剤感受性試験およびその外部精度保証活動(パネルテスト)を業務として行っています。
*パネルテストとは、塗抹検査の陽性・陰性や薬剤感受性パターンが既知の結核菌株(検体)について、結果がわからないようにして検査を行い、得られた結果を標準の結果と比較することで検査のパフォーマンスを評価する精度保証の方法です。

薬剤耐性結核動向調査(耐性菌サーベイランス)
 日本では結核療法研究協議会(療研)が1957年から1997年までに2〜5年ごとに過去12回入院時薬剤耐性菌に関する研究を行い、各年度の耐性菌の頻度と30年にわたる日本での薬剤耐性の頻度の推移を報告しています。国立、公立、私立を問わず全国で50以上の施設が参加しており、日本の代表的な薬剤感受性成績として広く引用されています。細菌検査科では、療研調査の実動部隊としてサーベイランスを実施しています。最近では、分離培養や感受性試験に液体培地が導入され、薬剤感受性検査法が比率法へ変化し、技術的にも過渡期にあると考えられ、検査室の精度管理(クロスチェック)的意味も含まれます。
*クロスチェックとは、一度検査された検体を別の施設で再検査し、結果を比較する事で検査の精度を確保する方法です。

受託項目

薬剤感受性試験
結核菌の薬剤感受性試験については、抗酸菌の輸送方法を参照し、手順に従って被験菌株をお送り下さい。

抗酸菌検査外部精度保証(パネルテスト)
現在薬剤感受性試験のパネルテストを受託しています。詳しくは下記までご連絡・ご相談下さい。


結核予防会結核研究所抗酸菌部細菌検査科
御手洗 聡
〒204-8533 東京都清瀬市松山3-1-24
TEL:042-493-5762(ダイヤルイン)
FAX:042-492-4600
E-mail:mitarai@jata.or.jp

参考文献
検査センターを対象にした結核菌薬剤感受性試験外部精度アセスメント 御手洗 聡 他 (結核 Vol.80 No.4 April 2005 349 -358)
結核菌パネルテストスライド作製と喀痰塗抹検査の精度管理に有用な抗酸菌を含んだ人工痰の調製法の検討 山田博之 他
(International Journal of Tuberculosis and Lung Disease 8月号掲載予定の論文の概要の日本語訳)


updated 15/08/07