6.結核診査会・症例検討会事業

北海道   東北   関東   東海北陸   近畿   中国四国   九州   沖縄  

宮城県

結核診査検討会
長期治療例を1例ずつ検討することにより、不要な治療の終了を促進する。
効果: ・治療期間の短縮及び短期化学療法の普及が図られつつある。
・多剤耐性菌、合併症など治療困難な症例を検討し、治療の方針が再認識された。

山形県

1.予防可能例検討会実施事業
予防可能例検討会を実施。
効果: 予防可能例の検討を実施することにより、罹患率・有病率の減少を推進することができる。
2.症例検討会実施事業
症例検討会を実施した。
効果: 症例検討会及び予防可能例検討会を実施することにより、診査会のレベルの向上、適切な医療の効率化が図られる。

新潟県

事例検討会の開催
助言者を交え、保健所の保健師が事例を検討することにより問題点を明らかにし、適切な患者管理を行った。
効果: 保健所保健師の結核に関する質的向上を図ることができ、適切な患者管理を行うことができる。

富山県

長期登録者検討事業
結核研究所等からの専門医による個々の事例検討及びアドバイス
効果: 不必要な登録者を整理し、適切な患者管理が図れる。

富山市

長期登録者検討事業
専門医による検討委員会の設置
 @年2回実施
 A結核診査協議会委員5人
効果: 5年以上の結核登録者について専門医による事例検討会を行い、適切な患者管理を図る。

石川県

1.予防可能例事例検討会(南加賀)
(1) 事例検討会
 「接触者健診の実施について」
 講師:(財)結核予防会 山下武子氏
(2) 事例検討会
 「疾病予防を可能にする視点とは?」
 講師:(財)結核予防会 山下武子氏
(3) 定例検討会
 @感染源の追求及び感染予防のための情報収集の視点
 A接触者健診対象者と実施時期の確認
 B感染予防のための対応確認
効果: ・事例検討により、感染源の確認作業及び結核感染予防のための情報収集の根拠・視点等を職員間で共有することができる。
・予防可能事例検討により、接触者健診対象者の選定や、感染予防の視点・技術等の向上が図れ、結核の拡大防止が促進される。
2.結核保健指導業務検討会
(1) 石川県の結核の現状
 保健所の結核対策パッケージの目標に合わせ、石川県の現状を見た。
 @結核の保健指導の現状
   業務体制、所内検討会、医療機関との連携等について意見交換
 A助言と講演:「保健所における保健指導の強化について」
   講師:結核研究所対策支援部保健看護学科長 小林典子氏
(2) 平成13年度結核関係事業(案)について打ち合わせ
 〜第1回目研修会の結果と今年度の反省をふまえて〜
 平成12年度結核研究所保健師研修復命
効果: ・当県の現状について明らかにし、助言をいただいたことにより効果的対策について話し合いができる。
・各保健所間の情報交換ができる。
・結核研究所研修の復命により、担当者の資質の向上になる。
・複数の保健所にまたがる拡大防止対策として、新登録患者の情報を県に集めることとし、検討会を持つ予定。

岐阜県

結核モデル診査会公開研修会
岐阜地域結核診査協議会の公開診査
講師:(財)結核予防会顧問 島尾忠男氏
効果: 予防会顧問の専門医が診査に加わったことで、高度な意見交換が行われた。

静岡県

結核診査協議会活性化モデル事業
名古屋市立大学医学部教授・大場覚氏を講師に迎え、スライドプロジェクターを利用し、X線による読影について基礎的で具体的な事例を解説していただいた。
効果: 個別症例の検討等の研修を通じて医療技術の向上を図り、適正医療の普及が期待される。

三重県

結核診査協議会等強化事業
(1)
(2)
(3)
(4)
症例検討を含めた公開による結核診査協議会の開催
結核研究所講師によるPZAを含めた短期化学療法の推進のための研修会
結核研究所講師による保健所職員の検討会
保健師による保健所指導活動マニュアルの策定
効果: 結核治療の影響の大きい結核病床を有する医師や結核治療の中心となる医師を対象に適正医療の普及啓発を図ることにより、有病期間の短縮、結核医療費の削減、長期登録患者の管理業務の軽減、保健所職員の意識の高揚を図る。

京都府

結核診査会モデル事業
府医師会、地区医師会、結核指定医療機関及び結核診査協議会委員の協力と、国立療養所の専門医師等の助言を得て症例検討した。
診査会の活性化及び役割等を協議し、府内診査の標準化を図った。
保健所の患者管理対策に対し、診査会から助言、要望等を受けた。
効果: 結核診査会の診査内容を強化することにより、適正化医療の普及が図られ、患者管理の強化が推進される。

兵庫県

1.結核短期化学療法推進事業
各保健所で理想的な診査会が開催できるよう、結核研究所等の結核専門医を招き、問題を抱える主治医にも参加を要請するなど診査会を公開し、長期治療者等の症例検討を行い、短期化学療法の定着、医療の適正化の推進を図った。
効果: PZAを含む短期化学療法の推進が図れるとともに、INH単独等の不必要な治療を減少させることなどが期待でき、結核診査協議会の資質向上が図られる。
2.結核予防可能例検討会の開催
各保健所における結核予防可能例検討会(年3回)
二次保健医療圏域における結核予防可能例検討会(問題事例の検討、年1回)
効果: 地域ごとに結核患者発生に伴う諸問題が明確になり、地域の実情に応じた結核予防対策を企画し、推進することができる。

神戸市

結核症例検討会の開催
公費負担申請のあった症例について、専門医を招いて、問題点(@標準治療を勧められるケースか、A治療の必要性の有無、B患者管理、保健指導の際の留意点等)を抽出し、検討を行った。
効果: 検討結果を踏まえ、医療機関等関係機関と連携を図り、神戸市の結核管理の向上を図ることで、結核患者数の減少を図る。

尼崎市

1.モデル診査協議会の開催
(財)結核予防会からの専門医師の派遣により、助言や指導を得ながら結核診査協議会を開催した。
効果: 診査協議会の機能強化を図ることで、適正な医療の普及に資する。
2.結核対策検討会の開催
新登録患者の管理及び接触者健診のあり方について事例検討会を実施し、地域の特徴及び問題点を検討した内容を踏まえて、現行の「結核患者管理等の手引き」及び「結核医療費公費負担及び命令入所取り扱い要領」を改正した。
効果: 患者管理及び接触者健診を迅速かつ確実に行い、地域の特性に応じた患者管理のあり方と、全市的な取り扱いを確立し、保健所と保健センターを効率的に機能させ結核対策の推進に期する。

奈良県

予防可能例調査事業
各保健所において、予防可能例を検討することにより、管内における結核対策の問題点を把握し、予防可能例率を低減させるための検討を行った。
効果: 予防可能の症例を検討し、結核の現状、状況を明らかにし、保健所ごとの結核対策に関する問題点を把握した。その上で、新患者の発生を防ぐ対策を基とし、予防可能例率を低減させ罹患状況を改善するよう検討を行った。奈良県の予防可能例率(新登録患者)は、平成8年度48.1%から11年度23.5%へと、4年で半数以下に減少したが、その中で、医療機関での検査が不十分で見過ごされたケースや、患者が精密検査を指示されながらも受診しなかったケースが目立った。結核に関する医師向けの研修会の充実や県民への啓発活動が重要と考えられる。

和歌山県

結核対策検討委員会
平成12年度の3ヵ月分(4〜6月)の新規登録患者のX線フィルムや調査票をもとに診断事例を検討するとともに結核の統計データを分析し、診断の精度管理を行った。
効果: 主治医らを交えて症例検討を行うことにより、県下の医療機関全体の診断の精度向上や医療の適正化を図ることができる。
なお、平成13年度からは診査基準(案)や事務診査基準(案)などを作成・試行することとなった。

和歌山市

1.症例検討会
治療中の対象患者については、登録時のX線フィルム、その後半年ごとに1枚のX線フィルムを医療機関から借用し、登録ビジブルカード及び公費負担申請書等を参考に討議を行った。
 @症例検討数 18例
   助言者:結核研究所 和田雅子氏
 A症例対象者
   事例1 初回治療者の診断(菌検査の意味)症例
   事例2 初回治療の診断の遅れ(精神病院入院患者)
   事例3 再治療の診断症例
   事例4 結核性胸膜炎の診断症例
   事例5 結核性髄膜炎の診断症例
   助言者:複十字病院 尾形英雄氏
 B症例検討数 21例
   助言者:結核研究所 和田雅子氏
効果: 毎日の診察の中で、結核患者のほとんどいない現状において、結核の早期診断は難しい状況である。そのため、実際のケースを通じて結核の確定診断、診断の根拠及び治療等を学び、結核治療の改善及び適正な患者管理を図ることができるため、継続的な実施が必要である。
2.結核診断評価事業

(1)
(2)


(3)



(4)
県と協賛で実施。
患者の個々の登録時のX線フィルム(必要に応じCT)の用意及び新規登録者調査票を作成した。
第1回検討会
 検討事例 13例(対象事例 40例)
 確定診断できない症例 9例
第2回検討会
 検討事例 9例(対象事例 33例)
 確定診断できない症例 7例
事例の主治医及び結核診査協議会委員の参加を求め、診断根拠等検討した。
第3回検討会
効果: 約2割の症例が結核症としての確定診断根拠に乏しいと指摘される結果となり、結核診査協議会へ諮問する症例の情報不足や各審査協議会における診査基準の違いが指摘された。改善策として、保健所における事前形式診査基準(案)及び結核診査協議会における肺結核初回申請(初回治療)の診査基準(案)を作成し、平成13年度から順次実施予定である。
3.予防可能例調査
新登録患者(塗抹陽性肺結核患者)の事例検討会を通じ、初回調査の情報収集のチェック及び接触者健診の範囲及び時期・方法について検討した。
 開催回数: 6回
効果: ・新登録者の事例検討をすることによって、患者管理面での知識等が習得でき、職員の資質が向上してくる。
・事例を通じ、問題点を分析し、今後の結核対策に役立てることができる。
4.結核対策検討会
保健所の結核管理システムを十分理解していただき、相互の立場を理解した上で多方面よりケース検討を行った。
 開催回数: 1回
効果: 市内に35条指定医療機関は1ヵ所であり、ほとんどの排菌患者が入院する中で、勉強会を持ち、相互の専門性を高めることにより、治療中断及び失敗例を作らないように連携の強化を図ることができる。

島根県

読影技術セミナー
(1)

(2)
公費負担申請、定期住民健診精検、一般指定医療機関受診時のレントゲンフィルムで特異的及び判定困難なケースの症例検討を行った。
申請前、申請時、申請後(約3ヵ月後)のフィルムを使用し、かつその時点のフィルム以外の患者情報(菌検査結果)を加えながら検討を進めた。
効果: 結核読影技術の向上と、判定におけるフィルム以外の患者情報(菌検査結果)の重要性が認識できる。

岡山県

保健所結核症例検討会
県内1ヵ所の保健所を中心に、モデル診査会として複数(倉敷及び岡山市)保健所結核診査協議会を合同で開催し、結核専門医を交えて公費負担申請の診査及び診査困難事例の症例検討を行った。
効果: 保健所結核診査協議会の質的向上を図り、地域の医師に対して結核医療に関する的確な助言を行うことで、岡山県内でのPZAを含む4剤の短期化学療法の普及率を高め、結核患者の早期治癒を促進し、蔓延を防止する。

広島県

予防可能例等検討会議
本庁及び保健所の担当職員により予防可能例や治療困難事例等の分析・検討を行った。
効果: 症例の分析・検討を行うことにより、今後の患者管理の対応・対策の改善及び充実強化を図る。

福山市

結核患者事例検討会
結核患者のうち、治療困難事例等について専門家の意見を聞き、指導管理に資した。
(国立療養所広島病院 重藤医師)
効果: 結核患者事例検討会を実施することにより、問題点を整理し、その対策を検討することにより、保健師の患者管理指導技術の向上が図られる。

呉市

結核予防可能例等検討会事業
調査対象者について、結核登録票から所定の関連情報を収集し、調査票により調査を行った。
特に重要な、または共通する問題点を有すると思われる事例については、別にケースレポートにより調査を行った。
効果: 予防可能例等の原因などを分析・検討することにより、問題点を抽出して、今後の患者管理の対策を立てることができる。

山口県

1.読影研修事業
各保健所において結核診査協議会委員及び保健所担当者を対象として読影研修会を開催した。
各々の協議会委員の中から代表者が講師となり、様々な症例について検討した。
効果: 結核診査協議会委員及び保健所担当者を対象として読影研修会を実施することにより、結核医療の中心となる委員の胸部X線写真の読影力が高まり、結核患者の早期発見、早期治療及び適切な結核医療の提供が図られる。
2.結核事例検討会事業
全保健所の結核担当者が2ヵ月に1度定期的に集まり、日常の結核業務における様々な事例や課題等について発表し合い、今後適切な対応が県内全域でとられるよう、職員の意識を向上させた。
効果: 県内全保健所の結核担当者が集まって事例検討会を定期的に開くことにより、様々な事例について互いに検討し合う場ができ、職員の結核対策全般にわたる意識の向上と今後の適切な対応が期待でき、保健所間格差の是正を図ることができる。

高知県

結核医療適正化事業
(1)

(2)
結核研究所の専門医を助言者とする合同診査会を開催し、公費負担申請医療内容等の適正化、診査精度向上と協議会間の診査基準統一化を図った。
菌の同定、薬剤感受性に関する菌検査情報を把握し、診査精度の向上を図った。
効果: 最近の情報の習得、診査会の診査精度向上及び基準の統一化、医療の適正化を図る。

熊本県

予防可能事例検討会

(1)
事例検討会
球磨郡内の学校での結核集団感染予防について
 出席者 養護教諭35人
(2) 各職場における結核予防対策について
 出席者 医療機関及び施設のリーダー56人
(3) ナースのための結核基礎知識について
 出席者 看護職130人
(4) 感染症としての結核の診療
 出席者 医師及び看護職、市町村関係者120人
(5) 高齢者の接触者健診にかかる事例検討
 講師:県健康増進課課長補佐 内野高子氏
 講師:有明保健所所長 尾方克巳氏
 @講話「全国の結核の状況について」
 A事例発表 人吉保健所
 B事例報告 熊本市保健所
 Cまとめ
効果: ・予防可能例の視点で検討することにより、保健所の結核対策を効果的に行うことができる。
・効果的な定期外健診の実施
・保健所において結核に携わる関係者がケースを共有することによる効果的な対策の展開

大分県

1.公開結核診査協議会及び事例検討会と結核対策講演会(国東保健所)
(1)



(2)
公開結核診査協議会及び事例検討会
結核研究所より講師2人(医師、保健師)を招き、公開による結核診査協議会及び事例検討会を開催した。
同時に、結核研究所講師による保健所保健師を対象にした患者管理についての講義も行った。
結核対策講演会
結核研究所の講師2人による「結核の院内感染予防について」「結核の診断と治療について」の講演を実施した。
効果: 保健所の総合的な結核対策の体制確立と、結核診査協議会の機能充実を図るとともに、管内医療関係者の結核知識の向上及び適正医療の普及が図れる。
2.結核事例検討会
(1)


(2)
結核診査協議会委員対象
平成12年新登録患者について、結核診査協議会委員を交え予防可能例の視点から事例検討を行い、発病、診断、治療から患者管理に至る過程における問題点を摘出した。
管内町村保健師対象
平成12年の管内における結核の状況と新登録患者の事例を紹介し、当保健所の結核対策、住民健診の未受診者対策及び予防内服対象者の選定方法等について検討した。
効果: ・管内関係者に対し、結核状況等の情報を還元することにより、知識の向上が図れる。
・予防可能例の視点から新登録患者の事例検討を行うことにより、患者管理、保健指導技術の向上が図れる。
・町村が実施する住民健診及びツベルクリン反応検査結果に基づく予防内服対象者選定についての問題点を検討することにより、今後の実施方法の改善が図れる。