10.調査・研究・モニタリング事業
調査研究事業
予防可能例調査 | |
結核新登録患者予防可能例チェック表に基づき、各保健所が調査した。 | |
効果: | 発見の大幅な遅れ、健診体制の問題、医療上の問題等を調査、分析する。 また、保健所ごとのきめ細かい結核対策の方向が見出せる。 |
岩手県
新登録患者の感染源調査事業 | |
(1) (2) (3) |
新登録患者(感染源)調査の実施 @新規登録患者調査票の作成 A家庭訪問、関係機関への調査訪問等 B接触者健康診断の実施 C結核菌DNA分析 調査票の集計・分析 その他 調査票の作成、分析等について結核研究所から指導・助言を得ながら検討会を開催。 |
効果: | ・集団感染事例の防止 ・患者多発地域の発生要因の発見 |
秋田県
事業所に対する調査活動事業 | |
県内の該当する各事業所に対し、健康診断の実施結果報告の依頼文書を送付して、報告書を提出してもらい、実施状況を確認した。 | |
効果: | 県内事業所の定期健康診断の実態把握とともに、受診率の向上が期待される。また、結核の発生予防につなげることができる。 事業者の約9割が定期健康診断を実施していたが、実施結果については「労働基準監督署長」に報告していることから、それでよいと思っていた事業者が多く、8割近くの事業所は、保健所に報告することを知らなかったという結果が出た。 今後は各保健所で報告の確認を行うことにより、受診率の向上と結核予防の啓発普及が図られる。 |
1.地域格差是正のための要因分析事業 | |
罹患率、有病率の高い地域において、要因分析のための調査及び解析を行い、対策について検討した。 | |
効果: | 各個人(乳幼児、小学時、中学時)のツベルクリン反応検査結果を一貫して調査、分析することにより、予防内服の必要な者の的確な把握と指導が可能となる。 また、当該地域の高齢者の結核対策(INH内服等)の検討資料となる。 |
2.小児結核免疫サーベイランス研究事業 | |
定期健診時のツベルクリン反応検査結果データの精密な分布を把握する他、技術向上のための講習会及び研修会を開催した。 | |
効果: | ツベルクリン反応検査、BCG接種技術の向上及び学校における集団感染が疑われた場合のスクリーニング |
埼玉県
結核罹患者実態調査事業 | |
集団接種により予防接種を実施する熊谷市及び吉川市が、予防接種を行った児童及び乳幼児の保護者に予防接種後健康状況調査票を配布し、保護者から回答された調査票により副反応の有無を確認した。 モニターから得られた情報は、予防接種副反応モニタリング検討会(厚生労働省保健医療局の諮問機関)において、医学的、疫学的見地から分析・評価され、予防接種副反応の発生実態の把握と、報告事例と予防接種の因果関係について検討された。 こちらの情報は、関係者に還元するとともに、都道府県、市町村、日本医師会を通じて広く国民に提供した。 |
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効果: | 予防接種後の副反応の発生実態を把握することにより、予防接種副反応と予防接種との因果関係について明らかにされ、その情報が広く国民に提供される。 |
千葉県
BCG接種者の瘢痕とツベルクリン反応の調査及び報告書の作成(野田) | |
1年前に実施されたBCGの針痕数を調査し、今回のツ反長径との関連を検討した。また、3ヵ月後と1年後の針痕数の相関を確認した。 併せて、平成9年度からの調査結果を検討し、報告書を作成した。 |
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効果: | 針痕数が多いほどツ反長径が大きくなるという相関関係が認められる。また、結果を医師会に返すことにより、針痕数が増加し、ツ反陽性率も増加する。報告書の作成により、さらなる接種技術の向上を期待している。 |
高齢者施設・精神病院における結核対策実態調査 | |
特別養護老人ホーム及び精神病院で調査を行い、胸部X線撮影の実施状況を把握し、今後の対策の資料とした。 | |
効果: | 各施設における胸部X線撮影の実態を把握できるとともに、車椅子のまま撮影できるリフト付きX線車(県で1台所有)の需要を把握することができる。 |
石川県
新登録患者実態調査事業 | |
(1) | 実態調査(予防可能例チェック表に基づく) @年齢、性別 A菌検査結果、病型 B受診までの症状とその時期 C結核既往 D受診方法 E健診の長期未受診の有無(有の場合その理由) F定期健診事後管理の不徹底の有無 G合併症 H職業 I発見の遅れの有無 J感染危険度数 K二次感染の有無 上記内容について、面接結果から情報に基づいて集計した。 |
(2) | 調査結果検討会 |
効果: | 感染や発病、重症化が予防できたであろう患者発生について、その背景を明らかにし、対策について考えることができる。 |
山梨県
医療施設結核健診実態調査事業 | |
(1) (2) (3) |
精神病院の管理者に、結核に対する健康診断の実施状況を調査した。 老人保健施設等の健診の実施状況の改善状況を確認した。 施設管理者に対して、調査結果の説明と結核医療の研修会を実施した。 |
効果: | ・精神病院における入所者の結核に関する健康状況が把握できる。 ・老人保健施設の健診の改善状況を確認することで、結核院内集団発生の防止が期待できる。 |
愛知県
病院・診療所職員における結核の健康管理実態調査事業 | |
県医師会に所属している病院及び診療所に対して健康管理の調査を行い、管理上の問題点を把握した。 | |
効果: | ・病院、診療所における結核の疑いがある患者への対応について中位を喚起し、適切な対応につなげることができる。 ・医師を始めとする医療従事者が結核院内感染の感染源とならないように、健康管理の重要性について啓発できる。 |
調査活動事業 | |
大阪結核病学研究会に委託し、結核サーベイランス情報の解析や、12年度については、下記のテーマについて調査研究した。 @府における小児結核患者調査 A多剤耐性結核のRFLP分析による疫学的研究 |
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効果: | 同研究会から報告された調査結核並びに行政の施策に対する提言をもとに、今後の本府施策の策定に役立てる。 |
大阪市
結核発生状況分析研究委託事業 | |
本市における結核患者にかかる治療開始までの諸問題の調査研究を委託実施。 |
東大阪市
小規模事業所等結核健診実施状況調査 | |
従業員数20人未満の事業所、製造業者16,000件に対し、胸部X線検査の実施状況について調査。 結核についてのリーフレットを調査書と一緒に同封し啓発。 |
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効果: | 小規模事業所に対する健診実施状況調査を行うことにより、判明した健診未実施事業所に対して、集中的な勧奨活動が可能となり、より効果的な事業実施が期待できる。 |
予防接種陽転率等調査・分析事業 | |
(1) (2) |
小中学校1・2年生のツベルクリン反応発赤径別人数、強陽性者数、BCG接種者数及びツベルクリン反応注射部位の調査を行った。 予防接種医に対する研修を行った。 |
効果: | ツベルクリン反応発赤径分布を調査・分析することにより、地域の陽転率の事情が把握できる。またBCG接種医の研修を行い、接種方法・技術の向上を図ることにより、結核予防対策の充実強化を図る。 |
徳島県
調査活動事業 | |
(1) | ツベルクリン反応発赤径調査事業 県内の小中学校の結核定期健康診断受診対象者におけるツベルクリン反応検査時の発赤径を調査し、ツ反陽性率の改善、担当医師の資質向上を図った。 |
効果: | ツベルクリン反応検査時の発赤径を調査し、各地域間の格差を把握することにより、ツ反陽性率の改善、担当医師の資質向上を図る。 |
(2) | 小児結核予防対策事業 ツベルクリン反応検査発赤径調査事業を基に、小児結核及び予防投薬例の症例検討を通じて、小児結核治療の向上を図った。 BCG接種等の結核研修を行い、精密検査の対象者選定や予防内服に関する報告書を作成し、関係機関への普及を図った。 |
効果: | 今後の小児結核の予防に関する関係者のレベルアップを図る。 |
(3) | 定期外健診実施状況調査と事例検討会 県内の接触者健診の実施状況の把握、現状の問題点の把握と対策の検討を行った。 |
効果: | 県内の接触者健診の実施状況、現状の問題点を把握することにより、対策の検討を講じ、結核担当者の接触者健診に対する意識の向上を図る。 |
松山市
定期健康診断実施状況調査事業 | |
結核定期健康診断の実施状況の調査を実施し、集計・分析を行い、冊子に取りまとめ、関係機関(学校医・医師会・実施医・学校・教育委員会等)へ配布した。 | |
効果: | ・松山市の学校間の格差の是正や、実施医や学校医への結核定期健康診断への取り組みの再認識を促し、学校関係者への結核に対する認識を強化。 ・集団感染発生時のベースとしてのデータの蓄積 ・定期健康診断関係者(医師等)への研修会資料としての利用 |
事業所結核健診実施状況調査 | |
事業所における結核定期健康診断の実施状況把握については、受診率26.9%、報告率16.9%(平成10年度)と極めて低値であり、以前よりその状況把握に努めるよう厚生労働省等(事務指導監査)からの指摘を受けていたことから、今回、県内の事業所等の管理指導を行っている「宮崎労働局」と連携の上、各事業所に対し健康診断の受診勧奨を行うとともに、報告義務の周知徹底を図った。 | |
効果: | 事業所での結核健診の状況を把握し、受診勧奨を行うことで、結核について再認識をさせ、結核予防思想の向上を図るとともに、事業所における健診の受診促進や有症時の早期受診等による早期発見・早期治療につなげることにより、事業所内における集団感染の防止及び県内の結核罹患率・有病率の低下が期待できる。 |
鹿児島県
地域格差是正のための要因分析 | |
(1) (2) (3) |
「治療失敗例」「脱落中断例」「死亡例」の要因分析 要因と生活習慣等との関連性の有無についての検討 「常用勤務、臨時日雇、自由業」の者に対する健康教育の実施 |
効果: | ・「治療失敗・脱落中断・死亡例」の要因分析を実施することにより、「常用勤務、臨時日雇、自由業」の者に対する治療開始時における指導方針の参考資料にすることができる。 ・これらの者に対する健康教育等を実施し、早期発見及び早期治療に努めることにより、保健所間の格差是正を図ることができる。 |