2.高齢者対策事業
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1.老人福祉施設等結核予防対策事業 | |
地域の健康な高齢者のレクリエーションの場であり、老人クラブの活動の場である老人福祉センター等通所型の老人福祉施設を会場に、保健所職員(1チーム2人:医師、保健師、診療放射線技師、事務担当職員で構成)による健康教室を52ヵ所(全道26保健所、1保健所につき2ヵ所)で開催し、結核についての正しい知識の普及を図り、結核の早期発見につながる定期健康診断の受診勧奨を行った。 | |
効果: |
・現在の高齢者は、結核の蔓延時代に少年期を過ごし、健康な方でも体力が衰えてきているので、いつ発病してもおかしくない感染者がたいへん多い状況にある。 ・本事業により、発病予備軍に結核の正しい知識が普及し、健康管理が進められ、発病の予防に資するものと考える。 ・特に健康な人ほど重症化するまで我慢するものであり、さらに活動的な人となると、その人の発病は集団感染を招く恐れが大きいことから、定期健康診断の受診を勧奨し、これを未然に防止しようとするものである。 |
2.老人福祉施設等健康診断事業 | |
老人福祉施設にポータブルのX線装置を持込み、寝たきりの老人等、定期健康診断が受診困難な入所者に対して、健康診断(X線直接撮影及び必要に応じて喀痰検査)を実施した。 | |
効果: |
・定期健康診断を長期間受診していない寝たきり老人等に対し、健康診断を実施することにより、当該入所者の健康管理を行うことができる。 ・発病者を早期発見することにより、診断の遅れ、重症化を防ぎ、二次感染ひいては集団感染を未然に防止することができる。 なお、ポータブルのX線装置の使用については種々の問題を伴うことから、本事業は数年間対象地域を限定して実施することとしている。 |
札幌市
1.老人クラブ等の会員に対する講習会開催 | |
老人クラブ等の会員に対し、市内で古くから結核撲滅に向け積極的な活動を続けている婦人団体の会員を講師とする講習会を開催し、老人クラブの会員に結核予防に対する意識の高揚を図り、婦人団体の会員にはより一層の結核に対する知識の習得を図った。 | |
効果: | 高齢者集団への効率的な意識啓発が行えるとともに、結核健診の受診を促すことができる。 |
2.結核に対する意識調査 | |
本市においては高齢者の結核対策事業として「老人クラブ講習会」を開催しているが、申込みのない老人クラブに対し意識調査を行った。 | |
効果: | 集計により45%が結核健診を未受診であることが判明している。平成11年度で調査終了しており、総集計により、新たな対策を講じる。 |
ハイリスク者(高齢者)予防対策事業 | |
(1) (2) (3) |
老人福祉施設等における入所者の結核健康診断実施状況を調査し、未受診者がある場合には健康診断の徹底が図れるよう指導した。 市町村の協力のもとに在宅寝たきり高齢者のリストを作成し、結核健康診断実施状況を把握するとともに、必要に応じて家庭訪問し保健指導または喀痰の採取による結核菌検査を実施し、長期結核健康診断未受診者に胸部レントゲン検査を実施した。 調査結果等を踏まえて、日頃高齢者に関わる老人福祉施設等職員及び市町村の保健福祉従事者への結核予防に関する研修会を開催した。 |
効果: | ・結核予防の知識の普及ができ、市町村及び老人福祉施設等との結核予防の認識を同じにすることができる。 ・老人福祉施設等の入所者や在宅老人結核健診未受診者への結核健康診断の徹底の一助となる。 ・実態把握並びに健診による早期発見の必要から、次年度継続事業とする。 |
仙台市
高齢者に対する抗結核薬INH(イソニアジド)予防内服事業 | |
軽費老人ホームの入所者から候補者を選定し、本人の了承が得られた1人を対象として事前検査及びINHの投与を行った。 投与3日後に体調の不調を訴え内服を拒否したので、投与を中止した。 |
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効果: | ・高齢者の結核発病を抑制する。 ・施設内等における結核集団感染の発生を抑制する。 |
秋田県
健康診断等事業 | |
市町村の協力を得て在宅寝たきり者等を訪問の上、県総合保健事業団に委託し喀痰検査を実施した。 検査の結果については、受診者・各保健所・市町村へ報告した。 また、平成7年度から施設入所者の寝たきり老人等の健診を健診車で実施していることから、「健診実施方法」を作成し、市町村・社会福祉施設に配布した。 |
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効果: |
在宅寝たきり者の健診を実施することにより、長期未受診者の予防対策が講じられるとともに、施設入所者の寝たきり者等の健診率が向上する。 |
山形県
1.高齢者施設入所者喀痰検査実施事業 | |
高齢者施設入所者のうち、咳、痰、発熱等の呼吸器症状のある者及び保健所長が特に認めた者に対する喀痰検査を実施した。 | |
効果: |
結核集団感染のハイリスクグループである高齢者施設に対し重点的に施策を講じることにより、結核の集団感染を予防する。 |
2.高齢者対策事業 (老人クラブ等研修会実施事業) | |
老人クラブ等における健康教室を実施した。 | |
効果: | 本県の結核患者の2/3以上を占める高齢者に対して、罹患率・有病率の減少を推進するために重点的に施策を講じることにより、その実態を把握し、罹患率・有病率の減少を推進するために重点的に施策を講じることができる。 |
3.老人福祉施設研修事業 | |
各福祉施設の職員等に対し、結核予防対策の研修会を実施した。 | |
効果: |
ハイリスク集団である福祉施設の職員に対して重点的に施策を講じることにより、結核予防に対する意識の向上と、集団感染防止対策の充実を図ることができる。 |
いわき市
老人保健施設等関係職員に対する結核予防研修会 | |
施設の結核対策実践者による結核感染予防、患者発生時の対応等について研修会を開催することにより、結核予防及び結核の早期発見について理解を深めた。 | |
効果: | 高齢者の入所が多い施設内において、入所者・職員の結核予防対策や管理、個人の健康管理が徹底され、患者発生時も保健所との連携により早期に適切な対応をとることが可能となり、感染・集団発生等を防止することができる。 |
寝たきり老人等結核健康診断事業 | |
在宅の寝たきり老人を訪問して結核健診を実施した。陳旧性肺結核所見4人、気管支拡張症2人がみられ、医療機関に紹介を行った。訪問による健診実施に対し、高齢者の家族や地域住民の反響も大きく、結核予防意識の啓発にも寄与した。 |
宇都宮市
寝たきり者に対する結核健康診断事業(調査) | |
寝たきり者の結核健康診断受診状況を把握するための調査票の作成 | |
効果: | 寝たきり者の結核健康診断受診状況を把握するための調査票を作成したことにより、来年度以降の調査を円滑に行うことができる。 |
千葉県
1.高齢者に対するINHの投与事業 | ||||||||||||||||||||||
厚生労働省通達による「高齢者に対するINH(イソニコチン酸ヒドラジド<イソニアジド>)の投与事業要領」に基づき、高齢者にINHを投与し発病を抑えた。 また、この事業に対する検討委員会を開催し、事業の適正な実施、今後の検討等について評価を加えた。 |
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効果: | 結核新登録患者の高齢者の占める割合が高い現在、結核既感染の高齢者の発病を抑える。 | |||||||||||||||||||||
2.寝たきり者に対する健康診断 | ||||||||||||||||||||||
寝たきり老人宅に保健所職員が出向き、胸部X線撮影を行った。 | ||||||||||||||||||||||
効果: |
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1.高齢者に対するINH投与 | |
委託医療機関において対象者を選定してINHを投与した。 | |
効果: | 高齢者の結核感染者の発病を抑えることにより、新潟県の高齢者の新登録患者数を減少させる。 |
2.「高齢者施設における結核予防対策の手引き」作成、配布 | |
(1) (2) |
手引き作成委員会を設置し、その中で内容を検討、作成した。 老人福祉施設他に配布した。 |
効果: | 手引き書が老人福祉施設において有効に活用されることにより、施設職員に結核の正しい知識が普及され、結核患者発生時に適切な対応がなされる。 |
石川県
高齢者及び老人福祉・保健施設等の職員に対する講習会 | |
(1) |
南加賀 講演:「高齢者の結核〜早期発見と集団感染防止のために〜」 講師:石川県南加賀保健所地域保健監 小林勝義氏 |
(2) |
能登中部 講演:「結核の感染対策〜集団発生防止のために〜」 講師:(財)結核予防会 増山英則氏 |
(3) |
能登中部 講演:「最近の結核について〜職場健診の必要性について〜」 講師:国立療養所七尾病院 安田孝夫氏 |
(4) |
能登中部 健康教育 健康づくり推進員の協力により、媒体としてペープサートを活用した結核知識の普及 |
(5) |
能登中部 事例検討:「管内集団感染事例検討会」 助言者:(財)結核予防会 増山英則氏 |
(6) |
能登北部 講演:「高齢者の結核〜早期発見と集団感染防止のために〜」 講師:鹿児島県伊集院保健所長 徳留修身氏 |
効果: | ・高齢者に対する結核の正しい知識の普及により結核健診の受診率向上へとつながる。 ・高齢者に接する関係職員への研修により、早期発見・早期治療が図られ、施設内感染・集団感染の防止が図られる。 ・集団感染事例の検討により定期外健診の実施・評価の必要性を再認識できる。 |
山梨県
高齢者入所施設結核健診実態調査事業 |
長野市
結核健診実態調査事業 | |
(1) (2) |
在宅寝たきり者について過去2年間及び今年度の受診状況について調査を行った。 今年度の未受診者についてポータブル健診受診勧奨を行った。 |
効果: | 経年的な受診状況を把握していくことで、未受診者を的確に把握するとともに受診勧奨を行うことで、受診率を高め、早期発見、早期治療を推進し、感染防止に役立てる。 |
岐阜県
1.高齢者または介護者研修会 | |
「高齢者の結核と健康管理」 講師:元伊奈波保健所長 木村英道氏 パネル「結核の基礎知識」の掲示 |
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効果: | 高齢者、介護者に対し結核を再認識させるとともに、高齢者の健康管理についての知識を得る機会となる。 |
2.高齢者または介護者研修会 (西濃地域結核対策重点プロジェクト) | |
「知って防ごう結核」 講師:大垣保健所 梶山美代子氏 |
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効果: | 結核が身近な病気であることを知ってもらうとともに、住民健診の重要性について理解が得られる。 |
愛知県
高齢者結核対策 | |
学識経験者等を交えた検討会議により、各施設ごとに調査すべき項目を検討し、その項目に基づいて、施設入所者に対する健康管理体制の実態調査を各保健所において行った。 調査終了後、結果の集計及び分析を行い、それらを踏まえて、施設職員(施設長、健康管理責任者等)に対して研修会を実施した。 |
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効果: | ・施設入所者に対する健康診断等の健康管理がどのような体制で行われているかを把握し、現状における問題点等を認識できる。 ・施設職員に対する研修会を行い情報を還元することで、施設内での集団感染防止の一助とできる。 ・引き続いて、12年度はマニュアルとしてまとめ、さらに有効適切な対策が取られるよう図っていく。 |
三重県
高齢者結核菌検査事業 | |
(1) |
研修会 結核予防法第4条、及び結核予防法施行令第1条により社会福祉施設での定期健康診断の実施義務が定められていることを施設長に認識させるとともに、結核を過去の病気とみる無関心さが憂慮されていること、高齢で閉鎖的な集団の中では特に集団感染に発展しやすいことを学ばせ、意識の高揚を図った。 |
(2) |
喀痰検査 社会福祉施設のうち寝たきりの人、X線撮影の困難な人、結核の既往のある未受診者、及び管内の60歳以上の結核登録者で治療を受けていない者を対象にDNAプローブ法による結核菌検査を実施し、高齢者の患者の早期発見に努めた。 |
効果: | ・結核定期健康診断の実施が困難とされてきた寝たきり老人等を対象とした喀痰検査を実施することにより、定期健康診断の一つの実施方法を示し、次年度からの受診率の向上、月報(報告書)の提出率の向上が期待でき、早期発見、早期治療により集団感染を未然に防止することができる。 ・寝たきり等重度障害をもった人にも対応可能な健診バスの利用も提案し、受診率の向上を図る。 ・長期登録者の選別を行うことにより、効率的な患者管理を行うことができる。 |
高齢者に対するINHの投与事業 | |
老人施設の入所者の健診所見等をもとにして、投与実施機関と協議の上、対象者を選定し、その後問診、検査を行い最終的な対象者を選定した。投与に当たっては、保健所が中心となって服薬管理を行い、関係機関と十分に意志疎通を図った。 | |
効果: | 高齢者の発病を抑えるとともに、予防投薬に関する諸情報を得ることにより、今後の高齢者対策を進める上で有効性等を評価することができる。 |
大阪府
高齢者結核発病防止対策 | |
(1) |
高齢者に対する健康教室の開催((社)大阪エイフボランタリーネットワークに委託) 結核発病確率が高い高齢者を対象として、医師の講話、生活指導等を行い、結核予防と家族を含めた健康管理の必要性を再認識させることにより、結核罹患率の低減を目指した(ブロック別に開催)。 |
(2) |
保健所における重点対策 各地区の老人会の会合等に合わせて、結核についての保健指導を行った。 また、健康診断を積極的に実施するとともに、有症状時の受診勧奨を行うことにより、早期発見、早期治療に努めた。 |
効果: | ・本府が疫学調査を委託している大阪結核病学研究会の研究「新登録高齢結核患者の研究」によると、60歳以上の新登録患者の発病の原因について、胸部X線所見上に古い繊維硬化巣、自然治癒巣からの発病が50%以上を占めると報告されている。 ・胸部X線写真で有所見者と判定され、かつ治療歴のない者を特にハイリスクグループとしてとらえ、保健指導や健康診断を実施することにより、若年者層を巻きぞえにする高齢者からの既感染発病を防止する。 |
堺市
結核まん延地区重点対策事業 | |
健康診断及び啓発活動等を行った。 | |
効果: | ・高齢者結核罹患率の高い地区において、地域の結核の現状等を認識し、共通の認識を持つことにより、地域団体との緊密な連携のもと、地域住民の協力を得ながら地域の実情に応じた結核対策の推進を行う。 ・高齢者の健康診断を行うことにより、患者の早期発見、集団感染防止等を図る。 |
東大阪市
高齢者有症状受診調査事業 | |
3年間のまとめをし、調査結果を医師会、市民等に還元した。 担当者の有症状時検査の重要性を再認識させた。 |
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効果: | 調査結果を医師会、市民等に還元して有症状時検査の重要性を再認識させることにより、発見の遅れを改善し、そのことにより老人から若年者への感染危険率の減少を図る。 |
兵庫県
高齢者に対するINHの投与事業 | |
発病のリスクが高い高齢者に対して、INHの投与を行った。 | |
効果: | 高齢者の結核の発病を未然に抑えることができる。 |
和歌山市
普及啓発 | |
高齢者(65〜74歳)に、住民健診のおすすめハガキを送付し、住民健診の受診を勧奨した。 | |
効果: | 結核の撲滅のためには、まず定期的に健康診断を受け、結核の早期発見・治療が必須である。 ・高齢者の塗抹陽性患者が増加する中、高齢者に健診の必要性を説明し、実際に健診を受けてもらうことで、結核を早期発見し、蔓延を防止することができる。 ・普及啓発は、結核対策において重要事業であり、市民に対し、あらゆる機会に結核の知識や結核健診の必要性を訴え、地道な意識改革につなげることができる。 |
高齢者に対する予防啓発事業(鳥取保健所) | |
結核予防に関する講演を行った。 | |
効果: | 結核予防への意識向上により高齢者の発病防止と早期発見 |
島根県
高齢者啓発事業 |
広島県
老人福祉施設等職員講習会 | |
老人福祉施設等の介護職員等に、結核に対する正しい知識を普及啓発した。 | |
効果: | ・老人福祉施設等における結核患者の早期発見、早期治療を実施するとともに集団感染及び二次感染を防ぐ。 ・新登録患者に占める60歳以上の者の割合が過半数を超え、老人福祉施設等で集団感染発生がみられるようになっていることから、施設において直接接している介護職員等に対し結核に対する正しい知識を普及啓発することにより、早期発見・早期治療に結びつけ、集団感染を未然に防ぐ。 |
山口県
結核患者管理強化事業 | |
(1) |
60歳以上の患者に対する訪問指導の充実強化 60歳以上の患者に対して、管理期間中に保健師が訪問に行く回数を増やし、服薬管理や再発防止を図った。 |
(2) |
60歳以上の結核患者を対象として、患者登録時の状況等を調査し、高齢者多発の原因究明や抜本的な対策の方向性の指標とした。 |
効果: | ・管理期間中の保健師による訪問回数を増やすことにより、多剤耐性結核の出現、再発の防止が図られ、周囲への感染防止も図られる。 ・患者登録時の状況を調査しまとめることにより、高齢患者特有の問題点を抽出し、今後の保健指導に生かすことができ、高齢患者の増加防止、若年者への感染防止が図られる。 |
香川県
ハイリスクグループ(寝たきり老人)に対する特別健診(丸亀保健所) | |
定期健診になじみにくい寝たきり老人等に対して、訪問指導を行い、喀痰検査等の特別健診を実施した。 | |
効果: | 寝たきり老人に対して喀痰検査等の検査を実施することにより、高齢者における結核の発病防止が期待される。 |
高齢者結核対策実態調査事業 | |
県内在住の60歳以上の高齢者の中から対象者を無作為抽出し、高齢者結核対策実態調査票を配布、調査し、集計結果を結核研究所において分析した。 | |
効果: | 福岡県における結核に関する高齢者の実態を明らかにすることにより、適切な高齢者の結核対策を推進することができ、罹患率の減少を図ることができる。 |
北九州市
寝たきり高齢者に対するX線撮影 | |
高齢者社会に対応するため、在宅及び養護老人ホームの寝たきり高齢者等通常の体制では結核検査を受けられない者について調査し、実態を把握するとともに、その対策を検討した。 |
熊本県
高齢者を取り巻く関係機関との症例検討会 | |
(1) |
関係職員の研修会(症例検討) @人吉保健所 A天草保健所 |
(2) | 講演会 @人吉保健所 ・「今後の施設内結核感染対策について」 講師:人吉保健所長 ・「結核予防法について」 ・「院内感染の予防対策」 講師:人吉結核診査協議会委員 光永昭明氏 ・「最近の結核医療について」 講師:結核研究所臨床学科主任 伊藤邦彦氏 ・「患者管理について」 講師:結核研究所研修部長 山下武子氏 A天草保健所 ・「予防可能例の視点における結核患者管理」 講師:結核研究所研修部長 山下武子氏 ・「結核対策の近況〜結核緊急事態宣言の背景」 講師:結核研究所所長 森 亨氏 |
効果: | ・結核に対する正しい知識が普及することによる、患者管理や施設内感染防止 ・予防可能例の減少 ・保健所の結核対策についての理解を得ることにより、関係機関の連携システム構築の一助となる。 |
大分県
1.福祉ホーム入所者、高齢者(寝たきり者)等の結核健診 | |
各施設及び住民健診台帳から過去3年間未受診の高齢者を把握し、実態調査の後、胸部X線健診、または喀痰検査を行った。 | |
効果: | 患者の早期発見、重症化防止、施設内集団感染防止が期待されたが、発症者はいない。 |
2.高齢者及び施設関係者を対象とした結核予防講習会 | |
(1) (2) |
各施設管理者及び職員に対して結核予防講習会を開催した。 高齢者及び健康推進員等地域のリーダーに対する健康教室を計12回開催した。 |
効果: | 結核に関する正しい知識の普及を図ることで、結核の発生予防や早期発見が可能となり、特に重症化した新発生を防ぐことができる。 |
宮崎県
高齢者に対するINHの投与事業 | |
(1) (2) (3) |
結核既感染者であり、かつ結核発病の危険性が高いと思われる高齢者に対してINHの投与を行い、結核の発病を抑えた。 対象者の選定が困難であること、また、INH投与による各種の副作用が発生することを考慮し、その管理体制の整っている国立病院の入院・外来患者を対象者とし、INHの投与を行った。 対象者の日常管理として、対象者の管轄保健所と連携を密にして、対象者の健康管理を行った。 |
効果: | ・結核既感染者で結核発病の危険性の高い高齢者に対し、INHを予防投薬することで、高齢者の結核発病率を低くすることができると考えられる。 ・高齢者の発病は菌陽性者の割合が高いことから、本事業の実施により周囲(特に乳幼児等)への感染を未然に防ぐことができると思われる。 |
在宅高齢者からの結核感染連鎖予防(南部保健所) | |
(1) (2) (3) |
高齢者関連医療従事者への研修及び啓発 高齢者関連医療機関の医師・看護師等の医療従事者に対する講演会開催による啓発 玉城村地域型ミニ・デイサービス対象者に対する結核講演会及び結核健診の実態調査 ・結核感染連鎖予防及び結核に対しての啓蒙 ・ミニ・デイサービス参加者の結核健診の実態調査 施設内感染対策委員会のマニュアル作成及び発足に向けての支援 |
効果: | ・高齢者関連施設における医療従事者等の職員へ結核に対する啓発をすることにより、結核対策の向上に結びつく。 ・地域で開催されて広がりを見せているミニ・デイサービス対象者の結核健診の実態が把握でき、また、集団との関わりのある高齢者に対し、結核感染連鎖予防の啓発ができる。 ・高齢者関連施設へ働きかけることにより、感染対策委員会発足マニュアル作成に結びつけることができ、定期外健診の質の向上につながる。 |