BRIDGE TB CARE 結核医療国際連携支援

10人に1人が治療途中で帰国

日本で治療を始めた外国生まれ結核患者さんの10人1人が治療途中で帰国しています。

BRIDGE TB CAREとは

ページ先頭

 BRIDGE TB CARE(以下BTBC)は結核研究所がフィリピン、ベトナム、ミャンマー、インドネシア、ネパール、バングラデシュ、中国、韓国の結核対策関係機関と提携して提供する結核医療国際連携支援サービスです。具体的には日本で結核治療を開始するも母国で治療を続けることを決めた患者さんの治療とケアが途切れないよう、日本と、患者さんの母国の関係機関との連絡調整を行い、母国に戻った患者さんが最後まで治療を完了できるよう支援をし、また最終的な治療成績を確認します。

 BTBCは事業化を目指し、先ずは試行的研究(科学研究費助成事業基盤(C))*として開始します。従って研究期間中は患者さんの母国は上記8か国に限定しています。

なぜ今結核医療国際連携なのか

日本における外国出生患者さんの数は年々増加傾向にあることは、結核対策に携わる多くの方がご存知のことかと思います。2018年に新登録となった外国生まれ結核患者さんの数は1,667人、そして全体の結核患者さんにおける外国生まれの割合は10.9%で、15-24歳においては70.8%に達しました 1)

10人に1人が治療途中で帰国

図1:日本の外国出生結核患者数と、全体を占める割合の推移(2007~2018)

また外国出生患者さんの結核の治療成績において「転出」が非常に多いことも多くの方が現場で実感されていることでしょう。実際に結核登録者情報システムのデータを見てみると、2017年~2018年に登録された外国生まれ結核患者さんの治療成績において「転出」の割合は16%で、日本生まれの約8倍となっています。日本生まれの患者さんが転出した場合、その約7割は国内で治療を終えていることがわかっていますが、外国生まれの患者さんの場合は約6割が帰国しており、治療成績はわかっていません。これを「治療中断」と解釈すると、外国生まれ結核患者さんの治療中断率は約12%という数字になってしまいます。

「海外転出」が意味すること

結核の治療途中で国境を超えて移動する結核患者さんにとって、結核の治療を続けることは必ずしも最優先されることではありません。多くの先行研究が「国境を超える移動」は結核の治療中断のリスク要因であることを示しています 2)。そして結核の治療を中断することは、患者さん自身の健康を著しく損なう恐れがあるほか、周囲の人々への感染拡大、そして世界的な脅威となっている多剤耐性結核を作り出す可能性があります。その新たな結核の感染と発病は、結核対策に関わる私たちが「もう私たちには関係ないことである」ということにはできません。

「日本で結核の治療を開始した患者さんは、最後まで責任を持ちたい。結核の治療の途中で国境を移動する患者さんと世界中の結核医療を繋ぐ『架け橋』を提供したい。」その思いから、私たちはBTBCを立ち上げました。

BRIDGE TB CAREの支援の流れ

ページ先頭

BTBCの支援の流れを簡単にご説明します。

Step 1
先ずは患者さんが日本で治療を続けることが可能であることを理解したうえで、それでも帰国を希望されていることを十分にご確認ください。帰国の意思が確かなのであれば、BTBCをご紹介ください。患者さんを対象としたBTBCの紹介パンフレットは対象国の言語で用意されていますので(リーフレットダウンロード)患者さんに説明する際にお使いください。より詳しい話をお聞きになりたい場合は、直接BTBC担当者に問い合わせてくださっても結構です。問い合わせ先はこのページの下に記載されています。
Step 2
患者さんがBTBCの支援を希望されましたら、同意書を読んで頂き、必要事項に記入して頂きます。また患者さんの担当医に患者紹介フォームを英文で記入して頂きます。同意書、患者紹介フォームは対象国別に用意されています(申請書類ダウンロード)。同意書と患者紹介フォームが準備できましたら「申請はこちらから」よりアップロードして申請してください。
Step 3
BTBCは患者紹介フォームを帰国先関係機関と共有し、患者さんが帰国した後に適切な結核治療を引き続き受けられる医療機関を探します。医療機関が見つかりましたら、患者紹介フォームにて情報をお送りします。また、紹介先医療機関情報についてこちらからも患者さんに情報提供します。
Step 4
患者さんが帰国されてから2週間以内に、BTBCは帰国先関係機関を通して、患者さんが紹介した医療機関を受診したかを確認します。また必要に応じてBTBC担当者、または帰国先の担当者が患者さんにご連絡し、受診のお手伝いをします。
Step 5
患者さんの治療終了時期に、BTBCは帰国先関係機関を通して、患者さんの最終的な治療成績を確認、日本の登録保健所に情報提供します。

支援の流れ

また、BTBCを利用される患者さんに対して、アンケート調査と面接調査へのご協力をお願いしています。これは、患者さんがどのような状況で帰国することを選んだのか、また、どのような支援を必要としているかについて、を患者さんの目線で知ることを目的としています。ご協力はあくまで任意で、アンケート調査・面接調査の参加をしなくてもBTBCの支援を受けることができます。詳しくは「説明文書」をご覧ください。

参考文献

1) Tuberculosis Surveillance Center (2018). Tuberculosis in Japan – annual report 2018. Department of Epidemiology and Clinical Research, the Research Institute of Tuberculosis: Tokyo, Japan

2) Dara M, Sulis G, Centis R, D’Ambrosio L, de Vries G, Douglas P, Garcia D, Jansen N, Zuroweste E, Migloiro G. Cross-border collaboration for improved tuberculosis prevention and care: policies, tools and experiences. Int J Tuberc Lung Dis. 2017;21:727–736.

申請手順と必要書類

ページ先頭

以下の必要書類を「申請書類ダウンロード」から入手し,必要事項をご記入ください.申請書類をひとつのフォルダにまとめた上で,圧縮ファイル形式(zipファイル形式)で「申請はこちらから」よりアップロードしてください(圧縮ファイルの作成方法はこちら)。

1. 紹介状(必須)

紹介状は電子媒体で現地の関係者に転送され,フォローアップのために情報が更新されます。PDFやFaxなどの紙媒体を避け,必ず拡張子を「.xlsx」としたExcelファイルで提出してください。

2. 同意書(必須)

同意書の内容を確認の上手直筆で署名した同意書を,スキャナやスマートフォンなどで画像として取り込んだ電子ファイル(PDFやPNGなど)として提出してください。
*なお,国によって同意書の様式が異なりますのでご留意ください。

3. アンケート(任意)

ミャンマー・ベトナム・フィリピン・中国・韓国の5カ国に出国される方が対象です。アンケートにご協力いただいた場合は,上記に加えてアンケートをスキャナやスマートフォンなどで画像として取り込んだ電子ファイル(PDFやPNGなど)として提出してください。

---

ミャンマー・ベトナム・フィリピン・中国・韓国・ネパール・インドネシアの7カ国については専用の書式がありますが,それ以外の国については英語版の書式で申請してください。申請書類の記入は,主治医でも保健所でも構いませんが,申請にあたっては,可能な限り保健所よりお問い合わせいただくようご理解の上,BTBCをご利用くださるようお願い申し上げます。

---

圧縮ファイル(zipファイル)の作成方法(Windows)

1. フォルダを準備し申請書類のファイルをフォルダ内に保存します。

2. フォルダを選択した状態で,右クリックするとメニューが出てきます。
[送る(N)] » [圧縮(zip形式)フォルダー] をクリックします。

3. しばらく待つとzip形式ファイルが生成されます。

---

ご不明な点は、お気軽にご連絡ください。

(公財)結核予防会結核研究所 臨床・疫学部
〒204-8533 東京都清瀬市松山3-1-24
TEL: 042-493-3090
FAX: 042-493-5529
Email: bridgetb@jata.or.jp