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外国出生者における結核の感染リスク推定

外国出生者における結核の感染リスク推定と1次結核の発病リスク予測に関する研究
公益財団法人結核予防会結核研究所では、「外国出生者における結核の感染リスク推定と1次結核の発病リスク予測に関する研究」 に関して、結核登録者情報システムのデータ及び出入国管理統計を用いています。この研究およびデータに関して、ご質問等がありましたら下記までお問い合わせ下さい;

研究課題名:「外国出生者における結核の感染リスク推定と1次結核の発病リスク予測に関する研究」(研究代表者:河津里沙)

1. 研究の意義と目的
2018年3月には厚生労働省が日本国内で患者数が多いフィリピン、インドネシア、ミャンマー、ネパール、ベトナム、中国の6カ国を対象に、ビザ申請時の結核健診と「非罹患証明書」を求める方針を決めました。これにより具体的な条件下の感染・発病リスクの推定が可能、尚且つ必要とされると考えられます。
本研究は結核登録者情報システム及び出入国管理統計を用いて、外国出生者の国別・職業別の感染・発病リスクを推定し、現時点で提案されている入国前結核健診によって捕捉されることが期待される感染者数や二次感染者数の推定に役立てることを目的としています。

2. 研究の方法
1) 研究期間:2018年6月1日~2019年3月31日
2) 研究方法と分析対象とする情報: 結核登録者情報システムおよび法務省による出入国管理統計データを後ろ向きに遡って分析する観察研究を実施する。結核の感染と発病のリスクを捉えた数理モデルを用いた理論疫学研究である。2012年から2016年までに新規登録患者となった外国出生者(n=5736)を分析対象とする。まず、出入国管理統計データの国籍別・在留資格別の入国者数と出国者数に関する新規のイベント数を2000年以降の公開データを基に用い、出入国の両方を加味した在留外国人の移動モデルを適合することによって時点在留外国人数について国籍別・在留資格別に把握可能な状態を達成する。次に、それらの者が出生国で経験した結核の感染リスクを基に感染者数の期待値を数理的に記述できるよう定式化を行う。最後に、その感染者が入国後5年以内に発病するリスクを記載し、観察される登録患者数の期待値(ポアソン過程に従う)とポアソン分布を利用して不明パラメータである感染リスクの最尤推定を実施する。
3) 調査情報等:結核登録者情報システムおよび法務省による出入国管理統計
4) 情報の保護:結核登録者情報システムのデータにおける「外国人」「結核」等は個人情報に該当するが、対象国とした6か国からの人数が多いため、実際に年齢群、出生国のみでは照合不可能であるため、本研究のデザイン下においては個人情報に該当しない。また本研究結果の発表によって、個人情報が明らかになり、個人が特定されることはない。

3. 研究組織
研究機関名 公益財団法人結核予防会結核研究所
責任研究者 公益財団法人結核予防会結核研究所 河津里沙
共同研究者 公益財団法人結核予防会結核研究所 大角晃弘
共同研究者 公益財団法人結核予防会結核研究所 内村和広
共同研究者 北海道大学    西浦博
共同研究者 北海道大学    安齋麻美

4. 連絡先
公益財団法人結核予防会結核研究所 臨床・疫学部 河津里沙
mail:kawatsu@jata.or.jp
tel:042-493-5768 Fax:042-493-5529

結核患者の国外医療機関への紹介制度の構築に関する準備研究
公益財団法人結核予防会結核研究所では、「結核患者の国外医療機関への紹介制度の構築に関する準備研究」 に関して、結核登録者情報システムのデータを用いています。この研究およびデータに関して、ご質問等がありましたら下記までお問い合わせ下さい;

研究課題名:「結核患者の国外医療機関への紹介制度の構築に関する準備研究」(研究代表者:河津里沙)

1. 研究の意義と目的
我が国の外国生まれ結核患者の治療成績において、「転出」は大きな割合を占めています。転出は国内外を含むが、多くの場合は母国への帰国です。現時点で国外の医療機関への患者紹介はケースバイケースで実施されており、制度化には至っていません。しかし今後も外国生まれ患者の増加が見込まれること、また多剤耐性結核などを考慮すると、外国生まれ患者が治療中に帰国する際に、治療と必要な服薬支援が継続して行われ、また患者の最終的な治療成績が把握できるシステム作りはこれからの日本の結核対策において重要な課題と思われます。
本研究は結核患者の国外の医療機関への紹介制度の構築に関する準備研究として、1.本邦における外国生まれ患者の転出の状況、及び 2.諸外国における(国外への)患者紹介制度の現状、について資料を構築することを目的としています。

2. 研究の方法
1) 研究期間:2018年4月1日~2019年3月31日
2) 研究方法と分析対象とする情報: ①及び②ともに横断的観察研究。①に関しては結核登録者情報システムのデータの分析、②に関してはExcelにてアンケート調査票を作成し、諸外国の結核対策担当者へメールにて送信、情報収集をする。①について用いる予定の変数は次の通り:基本属性(性、年齢、出生国等)、臨床情報(総合患者分類、菌検査結果、等)、治療成績及び治療終了理由 ②について収集する予定の情報項目は次の通り:国外転出者の対応方法、手順、国外医療機関との連絡方法、など(詳細は資料を参照)
2) 予定対象者数:①結核登録者情報システムにおける2013~2016のコホート、②英国、オランダ、米国、カナダ、豪州等の結核対策担当者
3) 調査情報等:結核登録者情報システムおよびアンケート調査結果
4) 情報の保護:結核登録者情報システムのデータにおける「外国人」「結核」等は個人情報に該当するが、対象人数が多いため、実際に年齢群、出生国のみでは照合不可能であるため、本研究のデザイン下においては個人情報に該当しない。アンケート調査に関しては、回答者の名前及び所属は収集するが、本研究結果の発表によって、個人情報が明らかになり、個人が特定されることはない。

3. 研究組織
研究機関名 公益財団法人結核予防会結核研究所
責任研究者 公益財団法人結核予防会結核研究所 河津里沙
共同研究者 公益財団法人結核予防会結核研究所 大角晃弘
共同研究者 公益財団法人結核予防会結核研究所 内村和広
共同研究者 公益財団法人結核予防会結核研究所 泉清彦

4. 連絡先
公益財団法人結核予防会結核研究所 臨床・疫学部 河津里沙
mail:kawatsu@jata.or.jp
tel:042-493-5768 Fax:042-493-5529