公益財団法人 結核予防会結核研究所・国際協力部

世界の結核の現状と対策

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 世界では、発展途上国を中心に未だ結核が蔓延しています。人々の3人に一人が結核に感染しており、その結果毎年900万人が新たに結核を発病し、そのうち約150万人が死亡すると推計されています。脆弱な保健医療システム、多剤耐性結核菌の発生、HIV/エイズとの二重感染、などにより結核の問題は深刻化しています。

世界保健機関(WHO)は1994年よりDOTSと呼ばれる、①塗抹検査による患者発見、②6-8ヶ月の標準化学療法を用い、その間医療従事者あるいはボランティアが患者支援を行う結核治療、③標準的な記録及び報告様式の使用、④薬剤管理を徹底し、在庫払底を防止する、⑤これらに必要な人材及び予算を確保するための高度な政治的意思を担保すること、などを基本とした本格的な結核対策を開始しました。現在ではほとんどの国と地域で標準的な結核対策(いわゆるDOTS戦略)が実施されています。
しかし、未だに上に挙げた問題点の他、塗抹検査の精度確保、薬剤や検査用器材の払底、都市部における高い治療脱落率、開業医等私的医療機関への標準治療の普及など様々な問題点が残されています。

※WHO2013年データ

活動内容

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結核研究所国際協力・結核国際情報センターは、結核予防会の国際協力に関するミッション・ビジョンの下、本部国際部と協力して、事業を進めています。
世界の結核根絶を目指して、関係者と連携しながら、主に、各国の結核対策推進のための技術支援、人材育成、研究、国際結核情報センターの運営に取り組んでいます。

技術支援

技術支援結核対策の整備や推進を目的として、アジアとアフリカを中心に、日本の開発援助(ODA)による各国における技術協力プロジェクトや、途上国・国際機関等が行っている活動に、技術的支援を行うとともに専門家を派遣しています。
また、途上国の政府やNGOと協力し、毎年3カ国程度で「結核移動セミナー」を開催し、専門家を派遣しています。国際研修で培われた結核対策関係者とのネットワークを生かし、現地の実状を汲み取った企画や助言を行っています。

技術支援

人材育成

人材育成

UHC時代における結核制圧研修
対 象 途上国の結核対策もしくはUHCにたずさわる医師等で、定員約15名(毎年5月下旬より7月下旬、9週間)
経 緯 1963(昭和38)年、国際協力事業団の前身である海外技術事業団より委託されて開始
概 要 結核対策に係る基礎医学(免疫学、細菌学)、疫学、診断学、治療学を始め、結核対策に係る包括的な研修をUHCとのかかわりをみながら行われる。また、参加者のほとんどが、公衆衛生的結核対策に係る医系技官であることから、プラニングやモニタリング、オペレーショナルリサーチ手法に関する講義及び実習も実施している。
UHC時代の結核検査マネージメント強化研修 -世界的脅威の疾患対策への応用-
対 象 途上国の結核細菌検査にたずさわる指導的技術者あるいは検査担当医師で、定員約8名(毎年10月上旬より12月上旬、10週間)
経 緯 1975(昭和50)年に「結核細菌コース(結核対策細菌技術指導者)」を開設した。
概 要 喀痰の顕微鏡検査を中心とする細菌学的検査は、現在でも途上国における結核患者発見、及び治療評価の重要な方法である。また、国内における検査室ネットワークの形成と検査技術の維持管理は結核対策の大きな柱の一つとなっている。本研修では、顕微鏡検査から培養、遺伝子検査法まで、ほとんど全ての結核菌検査法を網羅し、その講義と実習を行う世界で唯一の研修コースである。また、マネージメント、トレーニング法などに係るリーダーシップ研修をも含み、結核対策の検査分野における指導者を育成することを目的としている。
結核国際協力派遣前専門家研修事業(日本人対象)

各国からの技術支援への要請に応え、海外で結核対策の指導を行える若い人材を育成するために、上記「UHC時代の結核対策強化研修」への受講などを通じて途上国結核対策への技術支援に関する知識技術を習得する日本人研修生を募集しています(原則年2回・トップ頁「お知らせ」に募集要項を掲載)。

問い合わせ先
国際協力・結核国際情報センター国際研修科
kokusai@jata.or.jp

研究

開発途上国の結核問題と対策の改善を目的とした研究や、日本と同様の問題を抱えている結核中蔓延国の対策についての比較研究などを行っています。 研究の多くは国際協力活動における経験や情報を生かして実施され、今後の活動の向上に資することを目的としています。

国際的な連携

国際的なレベルで結核根絶に取り組んでいる世界保健機関(WHO)、ストップ結核パートナーシップ、国際結核肺疾患予防連合(IUATLD)、結核サーベイランス研究ユニット(TSRU)等のメンバーとして、スタッフが運営及び調査や研究等の活動に参加しています。
また、結核研究所は「WHO指定協力センター」に指定されており、結核のサーベイランス、調査、研究、研修、各国の結核対策への技術的助言、抗酸菌レファランスラボラトリーといった活動を通じて、WHO西太平洋地域事務局に協力し、当該地域の結核問題の改善に尽力しています。

結核国際情報センター

結核国際情報センターを設置し、各国の結核情報及びその関連分野に関する情報の収集・管理を行っています。また、国際研修の修了生を対象として、ネットワークの強化及び結核対策の重点課題等の情報を提供するためにニュースレターを年1回発行しています。

News Letter from Kiyose

人材募集

海外で結核対策従事できる人材登録について

 世界人口の3分の1が感染している結核。その大部分の患者さんたちは経済的に恵まれない発展途上国に暮らしています。多くの国で結核は最大の感染症として人々の健康を侵し、社会経済の発展の妨げとなっています。ところが貧困に悩むこれらの国では十分な対策を推進することが難しく、日本をはじめとする先進国に援助の要請が来ています。世界の結核問題に対するわが国の支援の歴史は長く、結核予防会では現在までにフィリピン、ネパール、バングラデッシュ、カンボジア、イエメン、パキスタン、アフガニスタン、ミャンマー、ザンビア等の国々の結核対策に、さまざまな技術支援を行ってきています。結核予防会では、世界のニーズに迅速に対応するために、人材の登録を行っています。人材のロースター制度により、派遣のニーズがある時に連絡を取らせていただき、あなたの履歴と希望に応じて海外への派遣が行われます。

応募資格 1) 医師(公衆衛生、内科、呼吸器科、感染症科)
2) 臨床検査技師(細菌検査の経験を有す)
3) 公衆衛生業務に携わっている専門家(公衆衛生修士を有する保健師、放射線技師など)
4) 開発・コンサルタント業務専門家

● 英語でのコミュニケーションが可能であること
● 海外における業務経験があることが望ましい
● 心身ともに健康な男女
研修制度 世界の結核対策と国内のそれにはさまざまな相違点があります。また国際保健に必要な知識・技術も少なくありません。そこで結核予防会では希望に応じて、派遣前技術研修を行います。研修は東京都清瀬市の結核予防会結核研究所で実施されます。
ロースター
(登録)制度 
関心のある方は、まずあなた自身の履歴書をお送りください。 添付の履歴書式を利用し、下記e-mailアドレスへ添付ファイルでお送りください。あなたの個人データはロースターに登録されます。個人情報の管理は厳格に行われますので心配はありません。その上で世界のニーズに応じて、人材の選考が行われます。 すぐに派遣可能な方、現在は難しいが将来は可能性のある方等の、個別の状況に応じた対応がなされます。尚、登録後に必ず海外派遣が保証されているわけではありません。


注:ダウンロードして必要事項を入力後改めて下記の送付先にメール添付して送信ください。履歴書以外のファイルは添付しないようお願い致します。
履歴書送付先 公益財団法人結核予防会結核研究所
国際協力・結核国際情報センター 人材募集係
e-mail: jinzai@jata.or.jp
連絡先 公益財団法人結核予防会結核研究所
国際協力・結核国際情報センター
東京都清瀬市松山3-1-24
ご質問等はこちらまで:e-mail: kokusai@jata.or.jp

お問い合わせ・ご相談
公益財団法人結核予防会結核研究所
国際協力・結核国際情報センター
東京都清瀬市松山3-1-24

電話:042-493-5711(代表)・FAX:042-492-4600

電子メール:kokusai@jata.or.jp